あなたは自転車通勤をするとき、そのルートをどうやって探していますか?
地図を見ますか? 最近では、PCやスマホのアプリでルート検索すれば、「最適」なコースを瞬時に教えてくれてとても便利ですね。地形のアップダウンや交通量の多さのデータまで扱って、おすすめのコースを提示してくれるものもあります。
確かにそれは効率的なルートなのかもしれません。しかし、実際に走ってみないとわからいこともたくさんあります。アプリはツルシのコースは作れても、あなたにぴったりのオーダーメイドのコースは作れません。それはあなた自身が自分で見つけていくしかないものです。
今回は、自転車通勤のルート探しの目的とポイントについて考えてみました。ポイントは距離やアップダウンだけではありませんよ・・・それでは一緒に見ていきましょう。
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■ 目次
ルート探しの目的は?
まず、ルート探しの目的をどこに設定するのか、というところから。地図をながめてルートを考えるとき、最短距離をみつけることに注目しがち。もちろん、そうした「効率的なルート」を見つけることも大事ですが、自転車通勤のルートを検討する最大の目的は「安全なルート」を見つけることだと思います。
そして長く続けるためには、自分にとって「楽しく快適なルート」を見つけることが一番。やはり自由で楽しいことが自転車通勤の第一のメリットですからね。
ルート開拓の手順としては、
- まずは出発地点とゴールを俯瞰して「効率的なルート」を設定する。
- 実際に走ってみる。
- ここは危ないな~と思うところを「安全なルート」へと回避する。
- 随時「楽しく快適なルート」で彩りを加えていく。
・・・という流れでブラッシュアップしていくことをお勧めします。
それではこれらの目的の3本柱を軸に、ひとつづつ見ていきます。
まずは効率的なルート探しから
1.効率的なルートを見つける
以下のポイントを考えてみましょう。- ハイブリッド方式
- 距離
- 地形(アップダウン)
- バックアップ手段
ハイブリッド方式
ハイブリッド方式とは、一部をクルマや電車などに乗り、一部を自転車に乗るということです。ルート検討の順番としては、大前提としてこれを真っ先に考えるべきかもしれませんね。自宅から勤務先までの距離が結構あって、全部を自転車で走るのはちょっと難しい場合にはこのハイブリッド方式が考えられます。
また、基本は電車通勤なんだけど、自宅から駅、あるいは駅から職場までの距離がある場合に、歩きでは時間がかかるのでそこだけを自転車にするってのもハイブリッド方式ということになりますね。
自転車走行パートの距離がそこそこあると、夏場だとどうしても汗をかきます。自転車に乗って汗をかいた後で電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合には、途中で着替えをどうするか?ということも考えておく必要がありそうです。
距離
やはり効率的なルートにしようとすれば基本的に距離は短くしたいもの。最近では便利な地図アプリもあり、距離だけでなくアップダウンの少ないルートを検索してくれます。効率的な距離の短いルートを探す場合にはやはりそうした地図やアプリで俯瞰してみるとよいでしょう。
地形(アップダウン)
人力だけが動力源ですから、距離だけではなくてアップダウンも効率的なルートにとって重要な要素になります。距離が短くてもアップダウンが激しいと体への負担は大きくなります。その場合は多少遠回りをしてもアップダウンが少ないコースが良いかもしれません。
自転車通勤にエクササイズ的要素をどれくらい求めるかにもよりますけどね。
距離とアップダウンをよく検討して、候補となるルートを何通りか考えておくとよいと思います。
バックアップ手段
パンク等、何か問題が発生して自転車走行が不可能になった場合も考えておかないといけません。パンクしました → 遅刻しまーすとか休みまーす なんてのは許されません。自転車通勤禁止と言われかねません。
具体的には、バスや電車などのバックアップルートまでの経路や距離も考えておきます。バス通りをコースにできれば手っ取り早いですね。
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2.安全なルートを見つける
やはり通勤や通学の足として使う以上、安全が何より優先します。たとえ距離が近くて効率的でも危険なルートは避けなければなりません。自転車はクルマなんかと比べればどうしても「弱者」ですから、クルマでのルートを考える場合と見るべきポイントが違ってきます。
ここでは以下のポイントを取り上げてみます。
- クルマの交通量
- 道幅
- 街灯
- 路面状態
クルマの交通量
一般論として、幹線道路などクルマの交通量が多い道路は避けた方が無難です。でもどうしてもそうした道路を走る必要がある場合は、それなりの準備をしておくことをおすすめします。
- 服の色を工夫するなどして、できるだけ存在をアピール
- 手信号をする習慣
- 駐車車両対策としてバックミラーは必要
道幅
とはいえ、クルマの交通量が多い幹線道路が必ずしも危険というわけでもありません。道幅が広くてクルマが走るところと自転車が走るところがちゃんと区別されている道路は比較的快適に走ることができます。最近、自転車専用レーンの設置が少しづつ増えてきているようです。しかし駐車スペースと勘違いしているドライバーもいるので、走行時には注意が必要です。
車道を高速で走るロードレーサーが前方不注意により駐車車両に激突したり、後方確認もせずにドアを開けられてぶつかるといった事故が少なからず発生しています。
道路端がどうなっているのかも要注意です。ガードレールなども無くいきなり側溝や用水路だったり。私の知り合いでも自転車で側溝に落ちて大けがをした人が何人かいます。
クルマの交通量が少なくても道幅が狭い道路は本当に危険です。すぐ脇をスピードも落とさず通り過ぎるクルマもいて怖い思いをします。
また日本の道路の特徴として、道幅が狭いのにさらに追い打ちをかけるように、電柱が林立しているんですね。自転車は電柱を避けるためにはどうしても車道側に膨らまざるを得なくて大変怖いですし、逆にクルマを運転する立場としても細心の注意が必要になります。
道幅が狭いとその他にもいろいろ危険なことが多いです。できるだけ道幅に余裕がある道路を選びましょう。最も重要なポイントだと思います。
街灯
正直、街灯が少ない真っ暗な道路で、自転車の前照灯だけを頼りに走るのは心もとないですね。昼間はいいですけど、夜はできるだけ明るい道を走行するようにしましょう。
量販店などでよく売られているLEDライトは光量が乏しく、どっちかという周りを照らすというより、周りに存在を認識してもらうことが主な目的です。
やむを得ず、街灯が少ないルートを走らざるを得ない場合は、ハブダイナモにするか、ハロゲンライトやキセノンライトを使いましょう。電池の消耗が早いので、スペアの電池もお忘れなく。
くれぐれも、夜間にライト無しで走行しないこと。特に街灯が少ない道路では自殺行為ですよ。
路面状態
小石が多い「荒れた」感じの道路は- パンク
- ハンドルを取られる
- 滑る
ちなみに、普段は荒れていない道路でも、雨上がりには道路の端(自転車が走るとこ!)にゴミ流れてくることがあります。
また、路面が濡れている場合はマンホールのフタやペイント部分はタイヤが滑りやすくなりますので、これも注意しましょう。できるだけ車体を傾けない、ブレーキをかけないことが肝要です。
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3.快適なルートを見つける
最後に「快適なルート」についてです。何が快適かという部分は人それぞれかと思いますので「一般的」なコメントはできないのですが、私が「快適」に思うポイントは以下のような部分です。- 風を読む
- 日当たり
- 寄り道
風を読む
基本的に周りが開けたコースって、解放感があって好きなのですが、風の強い日は住宅街など建物が多いコースの方を走るのが良いと思います。ただし、建物といいましても大きなビルの近くですと、いわゆるビル風として突風が吹いて危険な場合もあります。
もっとも私の場合は、天気予報で強風の予報が出てたら雨降りと同様に自転車通勤はやめちゃいますね。追い風ならまだしも向かい風だと辛いから。
日当たり
夏の太陽が照り付けるような時は、日陰が長く続くコースがあるととってもありがたい。逆に冬場は太陽の日差しが恋しくなります。できればルートのとり方によってこうした切り替えができるといいですね。
しかし、快適だからと言って、本来なら車道の左側を走行するべきところを、その時の日当たりによって右側を走行するとか、必要性もないのに歩道ばかり走るといったことはやめましょう。
寄り道
クルマや電車にはない機動性と柔軟性があるところが自転車通勤の大きなメリットの一つです。お気に入りのお店に立ち寄ったり、アフター5の習い事なんていうのも生活の幅が広がっていいですね。
自転車ですとあまり大きなものや重たいものを買い物するのは難しいですが、後でクルマで買い物に来るときに備えてウインドウショッピングするだけでも楽しいです。
終わりに
自転車通勤のルート探しでは効率だけでなく、安全性を第一に考えましょう。そして楽しみや快適性も忘れずに。自転車通勤は自由で柔軟性がある分、とにかく、ルートの選び方には色々な要素があります。
前から知っていても幹線道路だから車が多くて危ないんだろうなと思っていた道路が、実際走ってみると意外と走り易かったり。
長年自転車通勤をしていても、新しいルートを見つけて、ああもっと早くこの道のことを知っておくんだったと思うことが今でもあります。このような新しい発見と出会えるのも自転車通勤の魅力の一つだと思います。
今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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