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クロスバイクをはじめ、ロードバイクやマウンテンバイクといったいわゆるスポーツ車に新しく乗り始めるとき、お尻やフトモモなどが痛くなることがあります。

そんな時、自転車の先輩に「お尻が痛いです~」と相談しても、「そのうち馴れるよ~」としか言われないことがほとんどではないでしょうか。

確かに、初心者の場合は単なる馴れの問題からお尻が痛くなることも多く、しばらく我慢して乗り続けていればそのうち気にならなくなることもよくある話です。

私も初めてのマウンテンバイクや今乗っているクロスバイクに乗り始めた頃、少し痛くなりましたが、幸いすぐに馴れました。

しかし、馴れの問題だとしても、ガマンする期間はできるだけ短くしたいもの。
それに原因が単なる馴れではないケースがあることも事実です。そんな場合は早く原因を解決しないとずっとお尻が痛いままなので、つらくて自転車に乗ることから遠ざかったり、ケガなどにもつながりかねません。

今回は、主にクロスバイク等のスポーツ車で、お尻が痛くなる場合の原因と対策について考えてみます。

新しく自転車を買って乗り始めたけど、どうもお尻が痛い。サドルが固いとか何かが良くないに違いないから買い換えようかなー、とお考えの方、ちょっと待ってください。

お尻を痛くしている原因は、サドルそのもの以外にもいろいろ考えられます。冤罪にならぬよう、ポチる前にとりあえず以下の記事をご一読いただければと思います。

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お尻が痛くなる原因にはどんなものがある?

クロスバイクとママチャリのサドルを比べてみると、ママチャリの方が座面が大きく、触った感触も柔らかいですね。そういえばスプリングなんかもついてたりします。

一方、クロスバイクは座面が小さく、硬く、スプリングなんかついていません。

座面が小さいのは、足の動きを邪魔しないようにしているためでもあるんです。もし大きなサドルだとペダリングの時に足の付け根(太ももの内側)が当たってしまいますからね。

こういったところが原因で、クロスバイクはお尻が痛くなってしまうのでしょうか?

しかし、イスやソファーやベットのマットレスでも、必ずしも「柔らかい=痛くない」、「硬い=痛い」とは限らないですよね。

自転車に乗ったときのお尻の痛みとサドルの関係でも同じようなことが言えて、いろいろな要因があります。

考えられる原因として、次の4つがあると思います。

 
  1. いきなり長距離乗ってない?
  2. 乗車姿勢の問題
  3. サドルの調整の問題
  4. サドル自体の問題

もちろんこうした原因のなかに「馴れ」の要素も含まれていますが、それだけではない部分もあるということです。細かく見ていきましょう。

① いきなり長距離乗ってない?

初心者の方で、経験者に誘われていきなり長距離のツーリングに参加したりしていないでしょうか?

これは私の実体験です。社会人になって間もないころ、マウンテンバイクを買ってすぐにツーリングに誘われて、毎週のように遠出。楽しかったですが、最初のころ、マジで血尿がでました。

このケースはまさに「馴れ」の問題かと思います。できれば、いきなり長距離は乗らず、少しずつ距離を延ばすのが良いです。後述するサドルの調整も、ある程度の期間をかけてブラッシュアップした方が良いと思います。

そうはいっても、せっかく誘ってくれたものを無下には断りにくいもの。とりあえず、対策としてお尻にパッドのついた自転車用パンツ(いわゆるレーサーパンツとかレーパンとかいわれるもの)を購入して、苦しみから解放されました。


レーサーパンツというと、ピッチピチで初心者の方にはちょっと抵抗があるかもしれませんね。全然初心者なのにそんな本格的なウエアなんて恥ずかしいとか・・・わかります。私も最初そう思いました。

でも、カッコづけとかファッションではなく、全く実用的なものです。ツーリング等で長時間、自転車に乗るのでしたら、普通におすすめします。

レーパンに見えないカジュアルなタイプや、内側にはくインナーパンツもありますよ。

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② 乗車姿勢の問題

乗車姿勢にも注意すべき点があります。初心者の方はどうしてもまだ乗り馴れていないためにフォームが良くない場合があります。

背中が反ってませんか?

腹筋が緩んで、背中が反った姿勢ですと、尿道あたりが痛くなる場合があります。

この場合は、腕に荷重をかけすぎです。少し背中を丸めて、上半身を腰で支えるような意識をもって乗ってみてください。

サドルにずっと座ってませんか?

どんなに高級なベッドでも、寝返りをうてないと体が痛くなるでしょう。ひどくなれば床ずれを起こします。

自転車でも同じようなことが言えて、サドルにずっと乗っているとやはりお尻が痛くなることがあります。つまり、お尻を適度に動かしていないために、床ずれのような状態になってしまっているんですね。

これはフレームサイズやサドルの位置調整などのポジションの問題もあるかもしれませんが、姿勢を意識するだけで改善することもあります。

たまに「寝返り」としてお尻を浮かしたり、ダンシング(お尻を浮かしたままペダリングすること)を試してみましょう。これはお尻が痛くなってからやるのではなくて、予防的に適宜行うのが良いと思います。

乗車姿勢は自然に直る?

確かに長い期間自転車に乗っていれば、自然と不適切な乗車姿勢が直っていくかもしれません。

しかしフォームは自分でも気づかないこともありますし、間違ったまま癖になってしまうことだってあるものです。

他の人に見てもらったり、自分でも意識していろいろな姿勢を試してみましょう。

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③ サドルの調整の問題

自転車に乗り始めてしばらくたち、また乗車姿勢をいろいろ変えてみても依然としてお尻が痛いようであれば、「サドルが良くないんじゃないか」とか、「少なくとも自分に合っていないんじゃないか?」と思いますよね。

しかし、ひとことで「サドルが良くない」といいましても、実際にはサドルの調整が不適切なためにお尻が痛くなっていることも少なくありません。

つまり、サドルの固さや形状がお尻に合っていたとしても、調整の仕方次第で負担がかかってしまうケースもあるんですね。

サドルをとっかえひっかえするのは、とりあえず他の原因をあたってみて、その上でやっぱだめだわ~となってからです。でないと、無駄にサドルの山を築くことになってしまいます。

サドルの調整って具体的にどんなの?

具体的には以下のようなポイントで調整できます。

  • 高さ調整
  • 前後の位置調整
  • 座面の角度調整

この3つの自由度のなかからベストな状態をみつけるよう調整します。ポジションを見つける一般的な算出方法等もあるようですが、最終的には自分の感覚が頼りです。

とは言え、いきなり「感覚」と言われてもよくわからないですよね。でもやはり感覚というのはひとりひとり違いますからお伝えするのが難しいです。(汗

以下でサドル調整のポイントについてご説明していきますので、それを試す中で、お尻が痛くなさそうなポジションを感じて頂ければと思います。

高さ調整

通販などではなくお店で自転車を買ったのであれば、さすがに高さ調整ぐらいはお店でやってくれると思いますが、違和感があれば自分で調整してみましょう。

高さ調整はお尻の痛みをどうこうするためというよりは、スポーツ車で効率的なペダリングをするための基本の設定となりますので、他の設定をするのに先立って調整しておくべき事項です。

サドルにまたがって、ペダルを踏んで一番下に降ろした時、膝がわずかに曲がる程度の高さに合わせます。

この設定をすると、両方のつま先がようやく地面に触れる程度になりますので、ママチャリのように両足をつけて停止することはできません。

「停まるときに足がつかないなんて!」とお感じになるかもしれませんが、これで正解です。スポーツ車の場合は、停まっている時のことより、いかに効率的に走るかということを優先します。

初めての方、これまでママチャリに乗っていた方は、「足がつかない!!」と軽くパニックになって、へたするとコケますので、以下の「停止作法」を頭に入れておきましょう。

■ スポーツ車での正しい停止作法

サドルを高めに設定して両足ベッタリつけられないスポーツ車の場合、停止する時は以下の動作が基本となります。

  1. ブレーキを掛けながら・・・
  2. 右足のペダルを踏み込み、体重をかける
  3. サドルからお尻を前方(ハンドル側)に移動する
  4. 車速が十分に落ちたら、左足で着地して停車
  5. 右足は、次にスタートをするときに踏見込めるようにペダル位置を高くしておく

実際は、さらにこの前に(停止する前に)、ギアを軽くしておくと、次の漕ぎ出しが楽にできます。また、ビンディングペダルの場合は左足のビンディングを外しておくという動作も加わります。

左足で着地するのは、もし万が一よろても車道側でなく歩道側に倒れるようにするためです。

こうして文字にするといかにも面倒くさいですね。でもこれをほぼ無意識のうちにすばやく行います。スポーツ車に初めて乗られる方は車道にデビューする前に少し練習しておくとよいですよ。


やや脱線しました。
話をサドルの調整に戻しましょう。

前後の位置調整

スポーツ車を購入する際、身長によって車体のフレームサイズを選ぶことになると思います。フレームサイズ選びの目安となるのは主としてトップチューブ(ハンドルとシートポスト間)の長さです。

普通、完成品車のフレームサイズは多くてもせいぜい3種類程度のバリエーションしかありませんから、細かい調節をしようと思えばサドルを前後に移動して調整します。

前後を少し変えるだけでもだいぶ荷重のバランス等の感覚が違ってきます。お尻の痛みの原因が荷重のかけ方によるものであれば、前後のポジションをいろいろ試してみるとイイかも。

先ほど、「サドルにどっかり座っていませんか?」のところで、調整の不具合の可能性についても触れましたね。サドルとハンドルの位置が近すぎると、お尻だけで体重を支えることになりやすいのです。

逆に離れすぎていると、サドルの先端部分が尿道に当たって痛くなることもあります。

座面の角度調整

座面が水平である状態が基本です。
サドルの形状および座る位置によってはちょっと角度をいじった方が具合が良くなる場合もあります。

例えば、サドルの先端部分が当たって痛みがある場合は少し前傾させるとよいかもしれません。


* * *

■ 参考サイト
サドルの前後と角度の調整については、こちらのサイトがわかりやすくて参考になると思います。

ロードバイク・MTB・クロスバイクのサドル交換・調整




サドルを調整してもイマイチ改善しないのであれば、いよいよサドルそのものに目を向けざるを得ないですね。

④ サドル自体の問題

最初の方で「硬い=痛い、柔らかい=痛くない」とは限らない、と書きましたが、逆に言えば直感通りに「硬い=痛い、柔らかい=痛くない」ということも少なくないわけです。

形状がお尻の形と合っていないとか、硬い部分がどこかにあたるとかいった場合には、柔らかいサドルにしたり、別の形状のものにすることで解消することもあるでしょう。

柔らかいものとして、ゲル入りのものもあります。フトモモと擦れて痛いような場合は先端の幅が細身のサドルがよいかもしれませんし、男性で尿道が痛い場合、女性で陰部が痛い場合は、中央がへこんだタイプのサドルがいいかもしれません。

サドルの形状はどれも同じに見えますが、並べてみると微妙に違います。
例えば・・・


  • 横から見て座面がフラットなものや反っているもの
  • 前から見て座面がなで肩のものやそうでないもの
  • 先端の幅が広いものや細いもの
  • 溝の有無


など。できればショップで実物に乗らせてもらって選びたいものです。


また、サドルカバーやシートポストにも以下のような対策グッズがありますよ。

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ここまで、クロスバイクをはじめとすスポーツ車を念頭に述べてきました。では、ママチャリの場合はどうでしょうか?

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ママチャリの場合

ママチャリの場合は体重がほぼ全てサドルつまりお尻にかかります。

サドルを上げて、ハンドルを下げることで多少は改善できるかもしれません。しかし、フレーム形状からして基本的に足つき性を重視する思想で作られている以上、どうしてもお尻への荷重集中は避けられません。

確かにママチャリのサドルは柔らかくてスプリングがついてたりします。とはいえ、先日ちょっと試してみましたが、やはり長距離を乗る限りはお尻が痛くなるのは避けられないような気がします。

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おわりに

お尻が痛くなる原因はいろいろあり、人によってケースバイケースです。これを変えれば治るとか、このサドルに交換すれば絶対大丈夫といった特効薬はありません。

とりあず、ポジション調整乗車姿勢などをいろいろ試してみましょう。少し時間をかけて様子をみるうちに、自然と馴れてくるかもしれません。

そのような試行錯誤ではどうにもならなければ、サドル交換も検討してみましょう。サドルコレクターにならないようにね。。。(今どきはオークションがありますけどね)

今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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