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最近、自転車保険の加入を義務化する自治体が全国的に増えています。
新聞等でそうした内容のニュースを見かける機会も増えてきたように思います。


現時点(2017年8月)までに、条例によって自転車保険の加入を義務化したところ、今後義務化することが予定されているところ、努力義務を定めているところ、検討中のところなどいろいろあります。

今回は、現時点で収集できた情報をまとめてみました。
さて、あなたの都道府県はどうでしょう?


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自治体(都道府県)ごとの自転車保険義務化の動き

全国の先頭を切って自転車保険の義務化に踏み切ったのは…
兵庫県 です。次いで、大阪府、滋賀県と続いています。

関西勢、がんばってますね。一方、関東でも、早くから埼玉県や東京都で努力義務とされています。その他、長野県や北海道など、各地で検討が進められているようです。


下表は都道府県レベルで義務化もしくは努力義務の条例を定めたところをまとめたものです(2017年10月1日現在、義務化対象が一般利用者であるもの)。

条例内容 自治体
義務化 兵庫県、大阪府、滋賀県、鹿児島県
義務化予定 京都府(H30年4/1~)
努力義務 埼玉県、東京都、愛媛県、千葉県、福岡県
※ この他に、市レベルで条例化しているところもあります(名古屋市、京都市など多数)。



リンク集

■ 兵庫県
「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」について

■ 大阪府
大阪府自転車条例

■ 滋賀県
滋賀県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例

■ 京都府
京都府自転車の安全な利用の促進に関する条例の改正について~自転車損害保険加入義務化等~

■ 鹿児島県
かごしま県民のための自転車の安全で適正な利用に関する条例の施行について

■ 東京都
東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例

■ 埼玉県
備えて安心!!自転車事故の保険

■ 愛媛県
「愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例」について

■ 千葉県
千葉県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の概要

■ 福岡県
福岡県自転車条例について

■ 名古屋市
自転車損害賠償保険等への加入が義務となります。(平成29年10月1日施行)



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背景にあるのは高額化する賠償金の判例


加入義務化に対する関心がこのように高まってきた背景は、自転車が加害者として高額の賠償金が命じられる判例が増えてきたことがあります。

刑事事件としてはそれほど厳しい刑罰にはなりませんが、民事としては非常に高額な賠償を求められる例があり、保険等に加入していない場合、無い袖は振れませんから、加害者のみならず、被害者も深刻な状況に陥ることになります。

このような事例が増えてきて、社会問題として認知されるようになってきました。

事例をいくつか挙げてみましょう。

■ 2003年、東京
夕方、男性がペットボトルを片手に下り坂をスピードを落とさずに交差点に進入し、横断中の女性(38歳)と衝突。
被害者は頭部を打って3日後に死亡。
6779万円の賠償命令。

■ 2008年、東京
昼間、男子高校生が車道を斜め横断して逆走。対向車線の自転車の男性(24歳)と衝突。
24才男性会社員に重度の後遺障害(言語機能の喪失等)が残った。
9266万円の賠償命令。

■ 2013年、兵庫県
兵庫県での義務化条例のきっかけとなったと言われるケース。
夜間、車道と歩道の区別のない道路において帰宅途中で坂を下っていた小学生(11歳)の自転車と62歳の歩行者の女性が正面衝突した。
女性は頭蓋骨骨折等で意識が戻らない状態になった。
小学生の母親に監督責任が問われ、9521万円の賠償命令。

加害者が子供であろうと、自動車事故と同様に高額な賠償請求をされる可能性があるのです。
子供が加害者に

条例の義務化で必要とされる補償の内容


自治体による自転車保険の義務化で求められることは、対人賠償責任をちゃんと果たせるよう補償することです。大別すると以下の2種類の責任です。
  • 人身事故の場合の慰謝料、治療費
  • 物件事故の場合の物損賠償

対人や対物ではない、自分自身の怪我に対する補償は義務化の対象ではありません

条例で義務を課せられるのは誰?

自転車保険に加入する義務を負わせられる人は、以下の人たちです。
  • 自転車利用者
  • 自転車利用者が未成年の場合はその保護者
  • 事業者

このうち、「自転車利用者本人」および「未成年の場合の保護者」というのはまあ当たり前ですね。「事業者」については以下で少しご説明しましょう。



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事業者とは、例えば兵庫県の条例では以下のように示されています。

なお、事業者は自転車小売業者や自転車を業として取り扱う自転車に関連する事業にとどまらず、事業活動に自転車を利用する場合や、通勤に自転車を使用する場合などもあり、様々な業態のすべての事業者を含みます。


「自転車小売業者」は、まあ普通に言えば自転車屋さんのことですね。それ以降の「自転車を業として(略)様々な業態のすべての事業者」というのは、例えば配達に自転車を使う新聞屋さんとか、ヤクルトレディさんなどがあるでしょう。

義務を課す対象として「事業者」を特に明記しているのは、個人で加入している保険では職務中の事故で補償されない場合があるためです。

保証されない!? そうなると「自転車通勤」と書かれているのも気になりますね。
うーん、どういうことなんでしょう。。。

職務中の事故は保険が効かない!?

つまり、自転車向け保険の中には、職務に従事している時の事故は支払いの対象とならないものがあるのです。業務で自転車を使用する事業者は、職務中でもカバーされる保険に加入する必要があります。

例えば、コンビニ等で扱われている、「日常生活賠償保険」的なものですと、職務中の自転車事故には対応してもらえません。

上記の兵庫県の条例によると「自転車通勤」も職務に含まれると読めますね。だとすると、コンビニの自転車保険では自転車通勤途中の事故は補償してもらえないのでしょうか?

自転車通勤をおすすめしている当ブログの管理人としては非常に気になりましたので、電話して確認してみました。

「自転車通勤は直接的な職務中ではないので補償の対象になります」とのことで、一安心です。

詳しくは以下の記事をご参照ください。
(関連記事→ 自転車事故でも重大な賠償責任が加害者に!保険を選ぶ3つのポイント

義務に違反した場合、罰則はあるの?

イエローカード 今のところ、罰則を設けているところはないようです。

罰則を設けようとすれば、それなりのしっかりした管理が必要ですが、実質的にほぼ不可能なのです。

「車体にかける保険」として管理しようとすれば、クルマのようにナンバープレートで個体を管理し、車検などの定期的な関門を設定するなどの制度が必要です。しかしそのような管理を新たに設置するには膨大な費用がかかるでしょうから、実質的に不可能と思われます。

「人にかける保険」も、特約など個人の保険のかけ方がさまざまなので、これまた管理が困難なのです。

おわりに

自治体による自転車保険の義務化は全国に広がりつつあります。安心・安全な自転車環境が少しでも浸透することを期待します。

自治体による義務化がなくても、自分(および家族)の人生は自らで守りましょう。年間で数千円のことですから・・・


今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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