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私が住んでいるのはほとんど雪は降らない地域(千葉県)ですが、毎冬、スタッドレスタイヤに履き替えます。スキーに行くこともありますし、関東でも雪が降るような予報がでれば、そのタイミングで履き替えます。当然ながら、冬が終われば夏タイヤに戻します。

きょうの記事は、先日タイヤ交換をしたときの写真を使って、タイヤ交換作業のポイントを自分なりにまとめたものです(車種はワンボックスカーの日産セレナ。型式はNC25です)。

タイヤ交換の経験のない素人の方でもこれを読めば自分でタイヤ交換ができるようになります。

作業自体は難しいものではありません。ゆっくり、自分のペースで進めればOKですよ!

自分でタイヤ交換することをおすすめする理由

自分でタイヤ交換をすれば、時間やお金を節約することができます。

ちなみに、タイヤがホイールにつけられてる状態で交換してもらう場合、街なかのカーショップやGSですと工賃は 4本で2000円ぐらいかかります。

それに時間。シーズン初めの混む時期に突然来店したりすると4~5時間以上待たされるなんて話もあるようです。最近はネットで予約できたりしますが、それにしたって時間の制約は受けるわけで。

私の場合、タイヤ交換の所要時間の目安は、準備から後片付けまで含めて、マイペースで1時間ぐらいです。

時給2,000円のバイトに相当するんですね。なかなか魅力的じゃありませんか?暇な時間と無駄な体力があればやらない手はないでしょう。



と、いい感じでモチベーションが上がってきたなら、早速始めましょう!

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まずはどんな工具が必要かをさらっと見てから、手順の説明をしていきますね。

工具をそろえる

私がタイヤ交換で使っている工具は基本的に以下の3つだけです。
  • クロスレンチ
  • レンチ(車載工具/ジャッキのレバーと兼用です)
  • ジャッキ(車載工具)



クロスレンチ

最低限、車載工具のレンチでもOKですが、クロスレンチがあるとナットを緩めたり締めたりする作業がとても効率的になります。

今後タイヤ交換を自分で行うなら、大変コスパが良い工具ですからこの機会にぜひ購入されることをおすすめします。

クロスレンチは千円以下のリーズナブルなものから、収納しやすいなど工夫された高級品まで、いろいろあります。私は大昔に買ったもの(多分安いやつ)をずっと使っています。シンプルイズベストで、まず壊れることはなさそうなので多分一生ものでしょう。

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ちなみに、クロスレンチの裏技として、4つあるナット袋のうち使用するサイズのところにテープを巻いて分かりやすくしておくとさらに作業がはかどりますよ。

クロスレンチ
車のメーカーや車種によって、ホイールナットのサイズが異なります。もちろん純正の車載工具なら間違いありませんが、クロスレンチ等を別途ご自分で用意する場合は、自分の車にあったサイズがあるか確認しましょう。

ちなみにセレナなど日産の普通車で使われている純正のナットサイズは21mmです。

レンチ(車載工具)

クロスレンチを購入したとしても、車載のレンチも使います。

固く締まったナットを最初に緩める時、および最後に固く締め付ける時には、クロスレンチよりも車載レンチの方がダイレクトに力を加えやすいのです。

車載ジャッキ

3つのパーツを組み合わせて使います。正直言って使いづらいです。応急用と考えた方がよいでしょう。私はずっとこれを使い続けてますが、できればちゃんとしたジャッキが欲しいなあ・・・

なお、このジャッキは右回しでUp、左回しでDownします。




では、次から作業手順を説明していきますね。

細かく分けて説明するためにリストアップの項目がたくさんあるように見えるかもしれませんが、難しいことはないですよ。タイヤを外すのと付けるのとで対称的な作業をするだけです。

タイヤ交換の作業手順

以下が作業手順のリストです。
1.の安全確保の後、2.から12.をタイヤごとに繰り返します。

タイヤ交換の作業手順
  1. 安全確保(作業に先立って)

  2. ホイールカバーを外す(ホイールカバーがある場合)

  3. 途中までジャッキアップする

  4. ホイールナットを少しゆるめる

  5. タイヤが浮くまで完全にジャッキアップする

  6. ホイールナットを外す

  7. タイヤを交換する

  8. ホイールナットを取り付けて手で締める

  9. 途中までジャッキダウンする

  10. ホイールナットを本締めする

  11. 完全にジャッキダウンする

  12. ホイールカバーを付ける(ホイールカバーがある場合)

項目ごとに詳しく見ていきましょう。


なお、以下の説明では「夏タイヤから冬タイヤへの交換」とします(写真は一部夏タイヤと冬タイヤがごっちゃになってますがご容赦を)。

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1.安全確保

車を停める場所は、必ず傾斜のない平坦な場所を選びましょう。

また、地面が砂利や土だったりするとジャッキが沈みこんだりして大変危険です。コンクリートなどのような硬い地面で作業するようにしましょう。

ジャッキアップするタイヤと対角位置にあるタイヤの前・後に輪留めを置きます。何かの拍子でジャッキが倒れることを防止するためです。最近、地震も多いですしね。

輪留めが無い場合は代わりに石とかタイヤを置きましょう。でも輪留めの方が安心です。高いものではないし坂道に駐車する時などでも使えるので、この際買っておいてはいかがでしょう。


この記事は上にも書いたとおり季節の変わり目のタイヤ交換を想定してます。もし、突然のトラブルで路上でタイヤ交換する場合は、なによりもまず、後方の離れたところに三角板(ちゃんとトランクに備えてますか?)を置きましょう。



2.ホイールカバーを外す(ホイールカバーが付いている場合)

強引に手で引き剥がしてもよいですが、力で手荒なことしたくない場合は、車載のドライバーを差し込んでテコのはたらきで簡単に取り外すことができます。

下の写真では上からドライバーを入れちゃってますが、実際はテコのはたらきの際に車体が邪魔になるので、斜め下の方からドライバーを入れるとよいでしょう。


3.途中までジャッキアップする

ジャッキをジャッキアップポイントに合わせて地面に置きます。

車載工具には以下のようにジャッキアップポイントのイラストがありました。

日産セレナの場合、実際のジャッキアップポイントはこんな感じです。


車体の下の帯状の部材に切り欠きが2つあり、その間にジャッキをあてがいます。ジャッキの上側には溝があって、そこでこの帯状の部材をはさむような形になります。

なお、車種によってジャッキアップポイントの様子が違うかもしれませんので取扱説明書等でよく確認してください。


ものすごく重量がかかるところですので、間違った場所をジャッキアップすると部材が曲がったり突き抜けたりして重大な損傷につながりかねません。



では、ジャッキアップしていきます。




ここでポイント!
最初の段階でのジャッキアップは、まだタイヤが地面から離れるほどには上げません。レンチでナットを回してもタイヤが空転しない程度の加重がかかる位置までとします。


■ なぜ完全に上げてしまわないか・・・

タイヤが完全に浮いた状態にしてしまうと、レンチでナットを回すときにタイヤが回ってしまって安定しません。
それと最初はナットが硬くて力を加えますのでそれによって車体がゆれてジャッキが倒れるなどを防止するという意味もあります。



ここで、別のタイヤを1本、車体の下に置いておくとより安全です。万が一、ジャッキが外れた場合のクッションになります。

4.ホイールナットを少しゆるめる

最初はナットが硬くてなかなか手では緩みません。私の場合は、脚で蹴ります。正確に言うと「踵落とし」です。一気にやるのではなくて様子を見ながらちょっとずつコンコンと回してあげるのがコツです。

この踵落としでは、車載工具のレンチのようなナットを包む部分からアームがすぐに曲がっているタイプのレンチを使います。クロスレンチのようにナットを包む部分と力を加える部分が離れているものはナットに無理な力がかかる恐れがあるので適当ではありません。


まだ完全にジャッキアップしておらず、タイヤに少し荷重がかかっている状態ですので、ここでは少しナットをゆるめるだけでOKです。

5.タイヤが浮くまで完全にジャッキアップする

タイヤが地面から1センチぐらい宙に浮く状態までジャッキアップします。

あんまり高く上げすぎると後でつらいことに・・・

6.ホイールナットを外す

クロスレンチをくるくる回してナットを取り外します。


■ なぜ軍手を左右逆にしているのか・・・

上の写真では、軍手の白い滑り止めのイボイボ部分が手のひらではなく手の甲にあります。これは間違えたわけではなくて、意図的に右手用と左手用を逆にして使っています。

ジャッキのレバーやクロスレンチを手のひらの中でクルクル回すときに、滑り止めが邪魔になるのでこうしています。重いタイヤを運んだりするときは滑り止めがあった方がよいので、左右をノーマル状態に戻して使います。


順番に少しづつナットを緩めていきますが、最終的にナットを取り外すとき、下側のナットを最後に外すのがポイントです。

■ なぜ下側のナットを最後に外すのか・・・

上側を最後にすると、下側のボルトがボルトホールから抜けてしまい、タイヤが上側のボルトにぶら下がる形でブラブラ状態になります。タイヤをささえる支点(上側のボルト)とタイヤ重心の位置関係から回転する力が働くからです。ブラブラすると作業がやりにくいし、上側のボルトホールを傷めてしまいます。

逆に取り付けるときは、下側のナットを最初につけてタイヤがブラブラしないようにします。

つまり、取り外すときも取り付ける時も下側のナットが最後/最初とします。



7.タイヤを交換する

そのまま、夏タイヤを外します。

取り付ける冬タイヤですが、前回の取り付け位置を示す表示がしてあれば、ローテーション(都度、取り付け位置を順繰りに変える)を考慮するのがベターです。

いろいろとローテーションのルールはあるようですが、私は単純に時計回りとしています。



さて、いよいよ冬タイヤを取り付けるのですが、タイヤを持ち上げる直前にホイールのボルトの位置をよく見て覚えておきます。タイヤを付けるときに、実際のボルトの位置はボルトホールからしか見えないので、記憶を頼りにあたりをつけるためです。

よいしょとタイヤを持ち上げて、さっき覚えたボルトの配置に合うようにタイヤのボルトホイールの向きを調整してあわせます。

ここは根性!!
気合で!



ボルトが全て頭を出したら、ひとまず山場を越えたことになります。

特に高血圧ぎみの方は、息を止めて重いものを持ち上げるのは大変危険なことですので、ご注意ください。

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クルピタ丸の使い方!タイヤが重くても交換作業が楽になる!!


8.ホイールナットを取り付けて手で締める

まず下側のナットから取り付けていきます。

対角の位置のナットを少しづつ順番に均等に締めていきます。まだ工具は使わず、手で締められるところまででOKです。

9.途中までジャッキダウンする

これもさっきと逆で、レンチで締めてもタイヤが空転しない程度の加重がかかる位置までジャッキダウンします。

10.ホイールナットを本締めする

クロスレンチを使ってナットを締めていきます(まだ本締めではありません)。

図のように対角の位置のナットを渡り歩きながら少しづつ順番に締めていきます。
①→②→③→④→⑤→①→・・・・


ちなみにこの「対角」扱いはこの手の「複数でねじ止めされてるアイテム」では基本的なお作法です。


最後に手で、「ギッギッ」というくらいまで強く本締めをします。これはクロスレンチではなく車載のレンチの方が良いです。左手でナットからレンチが外れないよう支えつつ右手でアームにしっかり体重をかける感じで。

初心者の方で、加減がわからなければ、締めた後で試しに「踵落とし」でゆるめてみましょう。さっきナットを外すときの感触と比べてみるとよいと思います。

もちろん、できればトルクレンチを使って締めるのがベストです。


なお、この本締めの際、足で思い切り踏んで締めたりはしないでください。強く締めすぎると最悪の場合ボルトを切ってしまう恐れがあるからです。トルクレンチを使う時だって手で締めますからね。



11.完全にジャッキダウンする

下に置いてあるクッション用の別タイヤをよけてから、一番下までジャッキダウン。

念のため、ナットが全てキッチリ締まっていることをもう一度確認しましょう。

実は私、以前やらかしたことがあるんです。1輪のみ、全ナットが仮締めのままでした。
スキーに行くために夜中に走り始め、20kmぐらい走ったところで車がガタガタいいだして、そりゃあもう怖かったです。最初は原因がわからなくて何度も車を停めたりして。たまたまナットを触ったらゆるゆるで。血の気失せました・・・


12.ホイールカバーを取り付ける(ホイールカバーがある場合)

ホイールカバーをあてがって両手のこぶしでたたき込みます。
このとき、空気入れのバルブ位置を合わせることがポイントです。

カバーにはバルブに合わせた切り欠きがありますので合わせます


以上で、タイヤ1本分の交換が終了です。

タイヤ交換
次のタイヤに移る前に、今外した夏タイヤに、ついていた位置(右前とか左後とか)のメモを付けておきましょう。次回のタイヤ交換の際にローテーションの参考にします。

ところで、例えば、メモに「右前」と書いてあったとしましょう。で、次にタイヤを交換するときにこのメモを見たとき、「前回は右前についていた」という意味なのか、「次回付けるときに右前につけろ」という意味なのか、悩むことないでしょうか?

私はそのあたり悩みそうなので、「右前だったと書くようにしています。


* * *
残りの3本も同様に繰り返せば完了となります。


お疲れさまでした!!
o(^-^)o



最後に一言!
特に初心者の方は、何日かしたら念のためにナットが緩んでいないかチェックされることをお勧めします。締め付けトルクが十分でない可能性もありますので。




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タイヤの保管について

タイヤ保管

取り外した夏タイヤは、次の春までしばし冬眠です。

ゴム製品を屋外でむき出しのまま保管していますと、劣化が進みやすくなります。できればカバーにいれて保管しておきましょう。

カバーも安いものから高いものまでさまざまありますね。安いものはワンシーズンももたずボロボロになってしまうものもあります。結局は多少高くても耐久性があるものの方がお得じゃないでしょうか。

私は個々に収納できるタイプのタイヤカバーを使用しています。けっこう厚手の生地でできていて、安物とは明らかに違う安心感があります。もう4シーズン以上も使っていますが、ほとんど傷んでる感がありません(2021年現在。屋外での使用です)。

タイヤ位置のメモを入れるポケットも付いており、重宝してます。ちょっとしたことですがこうした細かい使い勝手がありがたいです。

新しいタイヤを購入する場合

最後に、タイヤ交換に際して DIYが不適合となるケースがあることもご説明しておきましょう。


今回の記事は、自前のタイヤ(ホイールに組込み済みのもの)がある場合に、自分でタイヤ交換して時間とお金を節約しましょう~というものでしたが、今履いているタイヤを新しくする場合はDIY不適合 かと思います。


某カーショップで聞いてみたところ、今履いているタイヤを新しくする場合、タイヤ脱着やホイール組込みなどの作業が一連のセットになっていて、その一部であるタイヤ脱着作業だけをDIYで省いても値段が下がるわけではない、ということのようなんです。

お店としてもイレギュラーな対応は逆に面倒でしょうし、よく考えれば現実的ではないですね。

とはいえ、今履いているのと別のタイヤを持ち込むか、新ホイールも同時に買って新タイヤを組込んでもらう場合は、それだけで買って持ち帰れますのでDIY対象になるでしょう。

問題はDIYでどれぐらい安くなるかです。すべて込々のセット工賃は安く設定されているでしょうから、ホイールの組込み単体の工賃とあまり変わりないかも・・・であれば、逆に夏冬タイヤ交換の時期に合わせて、タイヤ持ち込みで交換含めて全部やってもらった方がメリットあるかもしれません。


私も先日タイヤを更新する機会があり、全面的にお店にお願いすることにしました。いろいろ検討した結果、TIREHOOD(タイヤフッド)というタイヤ通販を利用し、取付は近所のGSでやってもらえました。以下に体験談の記事がありますのでご興味があればチェックしてみてください。


おわりに

タイヤ交換といえば、印象的だったのは、数十年前にスキーブームをまきおこした映画「私をスキーにつれてって」の冒頭シーンですね。

おそらく仕事が終わってからの金曜日の夜、主人公の三上博史がガレージでタイヤをスタッドレスに交換して、そのまま夜の東京からスキー場に向けて走り出す・・・ 黙々とタイヤ交換してる姿がなかなかカッコよかった。

これがお店でタイヤ換えてもらってる間にタバコを吸ってるようなシーンじゃ絵にならないですよね。


今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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