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家族でのお出かけや運動会などのイベントでビデオ担当のお父さん。いつもいかにも素人っぽい仕上がりになってしまうなあと悩んでいませんか?

ワンステップ上の動画を撮ってみたいと思ったら、今回ご紹介するたった3つのコツを意識してみてください。

このコツ、名付けて「短固流」

camera_carrot
そんなに難しいテクニックは必要じゃありません。今まで無意識に撮っていたものを、ちょっとしたポイントを意識してみるだけです。

編集無しの一発撮りでも何だかプロっぽい仕上がりになりますよ!

簡単なことばかりなので、そのうち慣れれば意識するのも忘れてしまうことと思います。

それではさっそく見ていきましょう!

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動画撮影の3つのコツ「短固流」とは

「タンコリュウ」って、流派の名前ではなくて、動画を上手に撮影するための基本的な3つのコツの頭文字です。なお、私の造語なので悪しからず。

  1. カットを くする(5秒以下。長くても10秒)
  2. 基本は 定ショット
  3. 予めカットの れをイメージしてから撮り始める

それぞれ詳しく説明しますね。

1.カットを短くする(5秒以下。長くても10秒)

photographer 出来上がった動画を鑑賞する時、たいして印象的でもないカットがだらだら続くと、撮った自分ならまだしも、他人だと眠くなってしまいます。

素人は無意識に長いカットを撮り気味という特徴があります。

もちろん、ピアノの発表会などのように、カメラを固定して意図的にずっと長回しする必要がある場合もあります。しかし、普通のカットならば 5秒 以下、長くても 10秒 以下にしてみましょう。


試しに、テレビ番組の1カットの長さをカウントしてみてみてください。結構短く、パッパッと切り替わっていることを実感できませんか?

同じような画面でずっと長い時間撮るより、短いカットを積み重ねた方が、なんとなく「ストーリー的な展開」を感じられるように思います。

まあ、テレビの場合は編集の手が入っているんですが、編集なしの一発撮りでもこの感じを出すには、意識してこまめにカットをいれるようなクセをつけるのがよいと思います。このポイントだけでも、動画にテンポが出て、クオリティがグンとアップしますよ。

2.基本は固定ショット

これまた初心者がよくやりがちなのですが、やたらカメラをパン(左右に動かすこと)したり、ズームイン・ズームアウトを繰り返していませんか? 私も身に覚えがあります・・・

これがヒドイのになると、後で動画を見たとき、気持ちが悪くなってしまい、いわゆる軽い「映像酔い」の状態になっちゃうんですね。さらに手振れも加わったりするともう最悪。

映像酔い

映画やビデオ、テレビゲームなど激しい動きを伴う映像を視聴した際に生じる、車酔いに似た症状。頭痛やめまい、吐き気などの症状が一般的。映像酔いのうち、特に3D映画の視聴で生じるものは「3D酔い」とも呼ばれる。詳しいメカニズムは不明とされてきたが、その仕組みの一端が京都大学とキヤノンなどの研究グループによって2015年に明らかにされた。

出典 朝日新聞出版 『知恵蔵mini』


できるだけ、一つのカットの中ではパン(カメラを左右に動かすこと)やズームを操作しないように心がけると良いと思います。


動画撮影は固定ショットが基本です。実際、映画やテレビ等の映像作品では固定ショットが全体の6割を超えると言われています。

意識としては、カメラを被写体にロックオンするのではなくて、構図にロックオンするという感覚ですかね。


ひょっとしたら、動画を撮っているのに固定しろってなんか「逆」のような印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、常に被写体を追って中心にキープするような撮り方ですと、被写体の動き(移動)が感じられないのです。

固定した構図の中でこそ、被写体の動きが表現できるという意識をもつことです。例えば次のようなショットはいかがでしょう。飛行機の軌跡の静止画ですが動画をイメージしてみてください。

flight

そうはいっても、「対象がフレームから消えてしまうと心許ない。どうしてもついついカメラで追ってしまう」という気持ちもよくわかります。

長回しが前提となっていると、どうしても被写体をフレーム内にとめおかなきゃ、となってしまいますが、細かくカットをつなぐのが前提なら、すぐ次のカットで真ん中にもってこれるわけですし。

仮にフレームから消えてしまっても、フレームアウトといって、被写体の動きがより強調される効果があったりします。


被写体が中心から外れても、さらにいえばフレームから外れてもじっと我慢でカメラを動かさないように意識してみましょう。

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そして、文字通りカメラを動かさないこと。つまり、できるだけ手振れがないようにします

最近のカメラやビデオですと手振れ防止機能が予めついているものが多いですが、それでも限度がありますからね。

脇を締め、腕だけではなく体でカメラを支えるようにします。足もともふらつかないよう。

できれば三脚を使うのがおすすめです。旅先ではより手軽な「ミニ三脚」や「シューティンググリップ」という製品も便利です。

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ただし、三脚は足を開くと結構場所をとって邪魔になる場合もありますから、他人の迷惑にならないようにしましょう。混雑するような場所では使用が禁止されている所もありますね。

3.予めカットの流れをイメージしてから撮り始める


要するに何も考えないまま撮り始めないようにしましょう、ということです。

予期できない決定的瞬間を撮るならまだしも、普通の動画撮影なら、撮り始める前に何かしら余裕はあるものです。

しかし、余裕はあるものの、実際はあまりよく考えないで撮り始めてしまうことが多いのではないでしょうか。


ここで少し、次のことを意識してみましょう。

  • 大きなカットの流れをイメージする
  • 小さなカットの流れをイメージする

カットの大きい小さいとはなんぞや?

大きなカットの流れをイメージする

見る人に優しい、分かり易い動画にするためのコツです。

大きなカットの流れというのは、撮影プラン と言ってもいいでしょう。ざっくりとでよいので、イベント全体での大きな流れ・ストーリーを予め考えておくということです。

このようにして動画を分かり易くするということは、見ている方に無用なストレスを与えないということにつながり、ひいては動画を自然に楽しむ余裕と充実感が生まれると思います。

興味を引き出すために全てを晒さず、サスペンス仕立てにするという別のアプローチもありますけどね。まあ、ここは初心者向けのシンプルなコツとして「分かり易さ」をお勧めしておきます。

後ほど、運動会の場合の撮影プランの例を挙げます。ぜひ参考にしてみてください。

小さなカットの流れをイメージする

見る人に次々と期待感を持たせるような動画にするためのコツです。

最初に挙げたポイントに従い、短いカットをパッパッと切り替えて積み重ねていきます。その際、次のカットの 構図 をどうするかを考える ことで、映像がどんどん展開していくような変化を付けることができます。

例えば、

  • 寄りのアップの次には引きの全景にしてみる(位置関係、大小関係などを表現)
  • 人物描写と風景描写を織り交ぜてみる(視点の変化)
  • 定点観察風に、同じ構図で短いカットを重ねる(時間の経過と変化を表現)
  • アングルを変えてみる(視点の変化、大きさを表現)
  • 光の当て方を変えてみる(心理的な印象を表現)

など。次々と構図の組み合わせを考えながら撮っていきます。青文字は意図するところの一例です。

このカットの流れの中には、前出のコツに反する「長廻し」や「積極的なパンやズーム」のカットを意図的に含めるのもアリです。味付けとして上手に使っていければ表現力がさらにアップするでしょう。


例えば、家族旅行で観光地に行ったとき、お子さんがアクセサリーの手作り体験したとして、次のように撮影してみてはいかがでしょう。

  • 引きのカットで、取り組んでいる全体の様子を撮る。
  • 背後から手元のアップ。子供目線で。
  • 反対側に回って表情のアップ。
  • 最後に作品と一緒に感想をインタビュー


同じ位置からずっと撮り続けてるのは、なにか客観的と言いますが、距離がある印象を受けます。このようにカットを重ねることによって、お子さんに対する愛情や、自分が感じた感動などを、「見せたい意図」としてより伝えやすいのではないでしょうか。

そうなれば動画にあなた自身の個性が宿り、未編集のままでも見ている人を飽きさせないものになっていくと思います。

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実践!ホームビデオ撮影プラン

先ほど申しましたように、何を撮るにしても、何も考えずに漫然と撮影するより、あらかじめ撮影プラン(大きな流れ・ストーリー)を考えておく方が間違いなく良いものに仕上がります。

ストーリーを考えるガイドとしては、やはり 5W1H を意識するのが良いでしょう。

5W1H +オチ


何を、誰が、どこで、いつ、どのように、なぜ。

そして、できればもう一つ付け足したいのが、「最後のオチ」。これがあると締まります。

もちろん、必ずしもこれら全ての要素を詰め込まなくてもかまいませんが、少しづつ動画の中にさしはさむことで、物語的に分りやすい動画になると思います。



以下、実際のホームビデオの題材として運動会の撮影プランを考えてみました。

運動会の撮影プランの例

ざっくりとしたものですが、次のような流れはいかがでしょう。5W1Hもそれとなく織り込んでます。

1.前日の夜、お子さんにインタビュー

楽しみにしていることとか、意気込みなど。
きょうだいが何人もいる場合は、誰が何年生の時の運動会かわかるような誘導尋問も良いと思います。

2.当日の朝、カレンダーに丸印のカット

昔なら運動会と言えば秋が定番でしたが、最近では春ですとか夏休み明け早々という学校も増えてきました。

3.お母さんがお弁当を作っているシーン

朝早くからの準備だよ~をアピールするべく、時計のカットも。
お弁当の準備 愛情たっぷりのお弁当を作るシーンは、きっとお子さんが大きくなって見たとき感動する1コマになりますよ。お母さんへのインタビューも含めてぜひ残しておくと良いと思います。

4.運動会開始前のグランドの全景

万国旗や入退場門などのアップのカットも入れておくと運動会の雰囲気が伝わってきますね。
もし編集でタイトルを入れるとしたらここかな。ぐるりとパンをして賑わいを強調しても良いかも。
幼稚園とかだと、園庭があまり大きくない場合は近くの学校のグランドを借りて実施する場合もありますね。

5.開会式のイロイロ

数秒のカットを少々で十分。
もちろんお子さんか親御さんが何かの役回りでもあれば、しっかりと記録。

6.お子さんが出場する種目を撮影

事前に競技の場所や時間を確認しておきます。

最近では撮影場所に制限があったり、逆に学校側で競技の撮影場所を確保してくれるなんて場合もあったりします(もちろんご自分のお子さんが出るときだけの入替えで)。学校から事前に配布されるプリント類はよくチェックしておきましょう。

7.お弁当の時間

競技時間中はお子さんと会話する機会もあまりないでしょうから、お昼休みはいっぱいお話ししたいですね。

8.午後の競技の撮影

組体操や騎馬戦などの定番種目もそうですが、特に最後のリレーは結構盛り上がると思いますので、お子さんが出てなくても面白いコンテンツになると思います。

9.得点表の大写し

一応、結果なので。
お子さんの組は勝ったかな?負けたかな?

10.終了後のグランドの全景

おしまいのカット。
祭りの後始末は誰が行っているのか・・・できれば片付けの様子も残しておきたいですね。

ここで終わっても良いですが、さらに運動会が終わった後にも子供たちにインタビューをするとか、あるいは帰宅して疲れ果てて寝ちゃってるシーンなんかを追加するのも良いですね。

エンドロール後の特典映像みたいで、オチ的にはこっちの方がおもしろいかも。

(おまけ)運動会あるある

そうそう、ファインダー越しに我が子を見つけられなくて慌てるってこともあり得ます。特に初めての運動会でカメラマンデビューの方はご注意を。

意外に 運動会あるある なんですよ。これが。

似たような背格好でおなじ体操服を着た子供たちだらけですもんね。あとで再生してみたら別の子ばっかり撮ってて我が子が全く写っていなかったなんて笑えない話も。

不安になってきましたか? でしたら、目印作戦 はいかがでしょう。例えば、ちょっと目立つ色の靴下をはかせるとか、手首などにテーピングするとか。

もちろん学校のドレスコードの範囲内で。

おわりに

動画を上手に撮影するコツを見てきました。
最後にもう一度ポイントをまとめます。

■ 動画撮影の3つのコツ!
  • カットを短く
  • 基本は固定ショット
  • 予め流れをイメージしてから


私が小さいころはまだビデオなんてなかったですから、自分の小さいころの動画を見ることはできません。そして若いころの両親もね。正直、見れたらなあと思います。

今はどこのご家庭でもホームビデオやスマホで動画を撮られますね。その点、今の子供たちがうらやましいです。



お子さんはあっという間に成長してしまいます。我々もあっという間に老けます。小さいころの子供たち、若いころの自分たちは後からでは二度と撮ることができません。

ご家族のいい思い出や生き生きとした笑顔をたくさん残したいですね。
できれば飽きの来ない、ちょっとイケてる動画で^^


今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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