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バーベキューでしいたけ 実は私、以前はしいたけがちょっと苦手でした。

ですが、ある時、バーベキューで肉厚で本当においしいしいたけを食べさせてもらってから趣向が変わりました。確か原木栽培ものだったと思います。炭火で焼いて、しょうゆを垂らしていただいたんですが、すごくジューシーで絶品でした。

そんなことがきっかけで、うまいしいたけを食べてみたいといろいろ調べてみたんですね。菌床栽培物よりやっぱり原木栽培物の方がうまいとかなんとか。

さらに調べていくと、しいたけの栄養効果がなかなかのものであることがわかってきました。ふーん、こいつはうまいだけでなく実力もあるやつなんだ。おぬし、やるな、と、あらたな興味もわいてきました。

一言で言えば、しいたけは生活習慣病を気にしている中高年の皆さんにとって、超おすすめのアンチエイジング食材です!!

今回は、しいたけに含まれる栄養成分と、その効果についてまとめてみました。

会社の健康診断でちょっと心配な判定が出ちゃったあなた、要チェックですよ。

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しいたけが優れている点

しいたけは煮物から鍋物やお節料理まで、日本の日常的な食生活には欠かせない食材です。あまりにあたりまえすぎて、その優れた価値に気付かないまま使っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

日本にとどまらず、最近では欧米でも栽培され、名前もそのまま
”shiitake mushroom”
としてスーパーでも手に入るようになっています。「科学的に証明されたヘルシーな食材」として人気があるとか。

生活習慣病と戦う私たちにとって、しいたけはとても力強い味方になります。その秘めたパワーアイテムは次のようなものです。

  • 肥満と戦う
  • 骨や歯を丈夫にし、骨粗鬆症と戦う
  • 代謝を強化する
  • 高血圧と戦う
  • 免疫システムを強化し、がんと戦う


それぞれ詳しく見ていきましょう。

肥満と戦う

そもそも肥満とは、慢性的な健康上の問題です。多くの生活習慣病を引き起こすリスクが高い状態ですから、ここをまず何とかしたいですね。

普通なら、肥満対策であれば「食べない」ということに主眼が置かれるのですが、ここでは当然そういう話ではありません。しいたけを食べて肥満対策をしようという大変ありがたい話になります。

しいたけはそもそも低カロリーの食材で、100g当たりの カロリー は18kcalです。同じく健康食品の代名詞である納豆の場合は100g当たり200kcal(1パックだと約50gなので約100kcal)ですので、しいたけがいかに低カロリーであるかお分かりになると思います。
干し椎茸
そして!しいたけには 食物繊維 が豊富に含まれます。ゴボウやサツマイモにも引けを取りません。特に干し椎茸になりますと食物繊維の量は生しいたけの約10倍の分量になります

食物繊維はご存知のように腸内環境を整え、コレステロールの吸収を抑え、さらには胆汁と結合してコレステロールの排出をするはたらきがあります。

もちろん便秘気味の方にもおすすめです。

骨や歯を丈夫にし、骨粗鬆症と戦う

椎茸には ビタミンD が豊富に含まれます。

ビタミンDはカルシウムを効率良く体内に取り込めるはたらきがありますので、成長期のお子さんや、骨粗鬆症にお悩みの方やその予備軍と言われる成人女性にも適しています。

このビタミンDは、その前駆体としてしいたけに含まれるエリゴステロールという成分が紫外線によって変化し、合成されるものです。

ですので、生しいたけを購入された場合でも、使う前に日光に当てることによりビタミンDを増やすことができます!時間は30分から1時間で充分と言われています。

ちょっとしたひと手間でビタミンDが数倍になりますので、この裏技は利用しない手はないですよ。ぜひ、しいたけさんを日光浴させてあげましょう。

そうそう、この裏技は一般に市販されている干し椎茸でも有効なんです。といいますのも、一般的な干し椎茸は熱風乾燥されているものが殆どです。つまり紫外線を当てているわけではないので、ビタミンDの生成が今一つ。だから干し椎茸をさらに天日干しすることでビタミンDを増やす余地があるんですね。


天日乾燥と熱風乾燥

ちなみに、熱風乾燥にも意味があります。加熱することにより、椎茸しいたけのうまみ成分であるグアニル酸が多くなるんですね(生しいたけの10倍も)。

いっぽう、天日干しですとビタミンDは増えますが、低温乾燥ということになりますから、うまみ成分は増えません。
本当は両方やれば良いのでしょうけどね・・・

代謝を強化する

しいたけには ビタミンB類 が豊富に含まれます。

この栄養素は糖質、脂質、タンパク質からエネルギーを生成する際にはたらき、これらのエネルギーを使う脳神経系を活性化します。また皮膚や粘膜の健康状態を保つと言われています。

また、最近話題の葉酸も豊富に含まれています。葉酸もビタミンB類の一種なんですね。やはり代謝強化に有効と言われています。

特に妊娠初期の女性が葉酸を十分に摂取することで、細胞分裂が活発である胎児の発育を活性化し、神経系発育不全のリスクを減らす働きがあると言われています。

カットしいたけ

高血圧と戦う

高血圧と戦う成分、 エリタデニン は、しいたけとマッシュルームのみに含まれています。

エリタデニンは血中の血中の悪玉コレステロール(LDL)を下げ、善玉コレステロール(HDL)を高め、総コレステロール量を下げる栄養成分です。コレステロール量を調整することで、血圧抑制効果や動脈硬化を予防する効果があると言われています。

エリタデニンは乾燥させても壊れることはありませんので、干し椎茸にも多く含まれています。

ただし、水に溶けだしやすいので、干し椎茸を戻した時の水はエリタデニンが溶け出した状態です。できればその水を出汁として使うなど、上手に利用したいものです。


免疫システムを強化し、がんと戦う

最近の研究で注目されているのは、しいたけ独自の成分の多糖体(βグルカン)で、
レンチナン という物質
です。

実際にしいたけから抽出された成分が医療現場で使われています。がん細胞に対する直接的な抑制効果よりも、抗がん剤治療による免疫力低下を補う目的で使われることが多いようです。

実はヒトはβグルカンを分解するための酵素を持っていません。ということはβグルカンを消化吸収をすることができないんですね。

それが奏功して、消化されないまま腸内に到達し、腸内の免疫システムに作用して免疫力を活発化させていることがわかってきています。

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気を付けたいこと

このようにいいことずくめのようなしいたけですが、闇雲にたくさん食べればよいというものでもありません。いくつか気を付けておくべき点があります。以下の注意事項を頭の片隅に置いてご注意いただければと思います。

食べすぎに注意

たとえ素晴らしいヘルシー食材だとしても、過ぎたるはなんとやら。

干し椎茸はプリン体を多く含みますので、食べ過ぎると尿酸値が上昇する可能性があります。痛風の症状をお持ちの方は食べ過ぎに注意しましょう。

一般に、プリン体の1日の摂取量上限は400mgとされています。

この値を超える状態が長く続くと高尿酸値血症と診断され、痛風や尿路結石、腎障害といったさまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。

下の数字をご覧ください。これによると、生しいたけは問題なさそうですが、干し椎茸の場合は 100gあまり でこの値に近づいてしまいます。まあ結構な量ですが、大好きな人だったら食べちゃうかも・・・。

ただし、プリン体は水によく溶けますので、干し椎茸でも水で戻したものはだいぶ軽減されます。この戻した水は良い出汁になるので普通は無駄なく料理に使いたいところですが、尿酸値の高い方は控えた方がよさそうです。


きのこ及びその他食材のプリン体量

単位はプリン体mg/食材100gです。

なめこ       29
えのきだけ     50
マッシュルーム   50
舞茸        99
エリンギ      13
生椎茸       21
干し椎茸       380
 (水で戻したものは70~80程度)
わかめ       262
ひじき       133
かつお節      493
(一般的に、肉や魚が100~150、野菜が30~100程度です)

かつお節が結構多くてビックリしてしまいますね。でも実際、かつお節として一食で食べる量なんて高が知れてますからそんなに心配することはなさそう。

しっかり加熱を

基本的にキノコ類は生では食べられません。

生しいたけや加熱が不十分な椎茸を食べると、皮膚炎を起こす場合があります。菌そのものに毒がありますので、加熱しないまま食べるのはダメです。

君子、野生のキノコには近寄らず

しいたけによく似た毒キノコとして、ツキヨタケが有名です。かなりの猛毒があり、食べてるそばから嘔吐や下痢の激しい症状がでることもあるそう。年間を通して中毒例の非常に多いキノコです。

自分で採ったものはもちろん、他の人からもらったものも、野生のキノコを食べることは避けたほうが賢明です。「絶対に大丈夫だから」などと言われても、手を出すべきではありません。

プロでも間違うことがあるくらい、キノコの識別というのは難しいものです。原則として天然ものは避けるというのが吉だと思います。

巷には以下のような説(?)もあるみたいですね。
  • ナスと一緒に炊けば毒が無くなる
  • 縦に裂けるキノコには毒がない
  • 地味な色のキノコには毒がない

ですが、どれも根拠のない都市伝説です。信じてはいけません。

おわりに

しいたけにはたくさんのメリットがあります。もう一度挙げてみます。

  • 肥満と戦う(低カロリー、食物繊維)
  • 骨や歯を丈夫にする(ビタミンD)
  • 代謝を強化する(ビタミンB類)
  • 高血圧と戦う(エリタデニン)
  • 免疫システムを強化する(レンチナン)

このリストを眺めると、あらためて中高年のアンチエイジング・生活習慣病を予防するのに良い食材なんだなという印象を受けます。

なかなかこれだけヘルシーなメリットが並ぶ食材は少ないんじゃないでしょうか。しかも旨くて安い。


私も生活習慣病のことが気になる年齢ですので、これからもしいたけを積極的に食生活の中に取り入れていきたいと思っています。


今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!



自分で作っちゃえ!と思ったりする方は栽培キットなんていかがでしょう。



よくホームセンターで売られているしいたけの原木だと場所も取るのでハードル高いですが、これだったら室内でできそうなのでお手軽かも。


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