そろそろ夏本番ですね!
ビールのおつまみとして欠かせない 枝豆 の季節となってきました。
これほど子供から大人まで、万人受けする食材も少ないのではないでしょうか。もちろん、私も大好きです。
なので、美味しい枝豆にありつこうと、ずばり「美味しい 枝豆」などとネットで検索してみると、茹で方レシピのオンパレードですね。豆の産地や銘柄に関する記事も多いようです。
いろいろ試してみましたが、いくら茹で方をあーだこーだやってみても、ポテンシャルが低い豆だとそれなりの味にしかならないような気がして・・・
八百屋のオジサンへの聞き込みも含めていろいろ調べた結果、茹で方以前に、枝豆の見分け方・選び方がとても重要 ではないかという結論に至りました。つまり、いかにポテンシャルが高い、美味しい素材をゲットするかということです。
この点について、私自身はこれまで全くノーマークでした。でも確かに、このポイントに注意して枝豆を選ぶことで、美味しい枝豆が楽しめる確率が上がると感じています。
美味しい枝豆にありつきたい同志の皆さま、ぜひ参考になさってくださいね~
■ 目次
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美味しい枝豆の条件
結論から言いますと、 ”おいしい枝豆の条件” は次の二つ。- 若いこと
- 新鮮であること
要するに、枝豆を美味しく食べようと思えば、時間との闘いだということです。
「枝豆」とは、そういう種類の品種があるわけではなくて、いずれ成長すればあの 大豆 となります。まだ若いうち、未熟な緑色の状態で収穫されたものを枝豆と言います。
もちろん、大豆は栄養豊富で、豆腐や納豆などとしても大変おいしく食べられる優れた食材です。しかし、枝豆から成熟して大豆に近づくにつれ、
- 糖や遊離アミノ酸など、枝豆特有の風味や旨味を感じさせてくれる成分が減少してしまう
- 中の薄皮が厚くなりすぎて食感も落ちる
ことが多いと言われます。
つまり、枝豆としてその食感、風味、味を戴くには、まず第一に「成長の旬」を逃さないことが重要です。
いずれは竹になる タケノコ みたいな感じですね。(竹は大豆と違って普通食べられませんが)
また、枝豆は収穫後にすぐに 鮮度が落やすい 食物です。
特に温度ストレスがかかると呼吸が激しくなり、一段と老化が進み、味がどんどんと落ちていきます。
糖や遊離アミノ酸の減少は、収穫後の鮮度低下によっても急速に進みます。常温だと24時間でおよそ半分になってしまうと言われています。
* * *
美味しい枝豆の条件は、「若さ」と「新鮮」であることがわかりました。では次から、それを見分けるためのポイントについて見ていきましょう。
美味しい枝豆を選ぶポイントはこれ!
大きく分けて、3つのポイントがあります。- ① 外観
- ② 流通方法
- ③ 保存形態
まずは外観で見分けましょう。
ポイント① 外観
以下が重要なチェック項目です。■ サヤ(莢)の様子について
- 均一に鮮やかな緑色をしていること
- くびれがあること
- 産毛が多いこと
■ 枝付きで売られている場合は
- 葉の色が茶色くなったり、枯れていないこと
- 枝と枝の間隔が詰まっていて、サヤが密集していること
均一に鮮やかな緑色をしていること
一般に、サヤの色が鮮やかな緑色をしているもの、かつ、全体的にその色合いが均一なものが良いです。サヤが白っぽくなったり、部分的に黄色や茶色になっているものはやや育ちすぎ(大豆に近くなっている)の状態か、あるいは収穫後の鮮度が低下している状態。
若いものでも、20度以上で24時間以上経つと、緑色が薄くなり、黄化、褐色化が進んでいきます。
ただし品種によっては、もともと茶色がかかっているもの(黒豆など)もあるみたいですけどね。
くびれがあること
身が大きく、ふっくらしたものが美味しそうな気もしますが、実はこれも大豆に近づいている兆候です。豆が大きくてサヤの形がずん胴のものは避けた方が吉です。豆が小ぶりで、サヤにくびれがある物を選びましょう。
産毛が多いこと
産毛が多く、密集しているものが若いと言われます。産毛はいったん抜け落ちると、再生されることはないからでしょう。余談ですが、そもそも枝豆になぜ産毛が生えているかというと、虫に食べられることを防いだり、風でこすれて表面にキズがついたりするのを防ぐとか、適度な水分を保つためなどと考えられています。
葉の色が茶色くなったり、枯れていないこと
枝付きのものは、日持ちが良くて、味や栄養が落ちにくいとされています。とはいえ、葉が茶色く変色したり、枯れてしまってるものは、鮮度が落ちてきているので避けた方が良いでしょう。
枝と枝の間隔が詰まっていて、サヤが密集していること
枝と枝の間隔が詰まっていて、サヤが密集しているものが良品とされています。おそらく、成長とともに枝と枝の間隔が伸びるので、その間隔が短いものの方が若い、ということではないでしょうか。
* * *
以上が外観からの選び方のポイントでした。ここまではご存じの方も多いと思いますが、もう少し"通"の視点で枝豆を選びたいのであれば流通上の工夫なども要チェックですよ!
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ポイント② 流通方法
決め手はやはり時間ですが、温度も重要です。- 収穫からの時間が短いこと
- 低温保存(コールドチェーン)
収穫からの時間が短いこと
「普通の枝豆」は、収穫してからだいたい三日後ぐらいにやっと店頭に並びます。一方、「できる枝豆」は、前夜遅く、もしくは早朝に収穫され、すぐに保冷庫に入れられて、そのまま出荷されます。そして当日の午前中にすぐ近くのスーパーに並びます。
といった誇らしげなPOPが貼られた枝豆を見つけたら、迷わず「買い」でしょう。
低温保存(コールドチェーン)
コールドチェーンとは、食品を生産地から消費者まで温度が低い状態のままて流通させる仕組みのことです。スーパーなどで、常温で置かれた枝豆と、保冷ショーケースに置かれたものがある場合がありますが、後者の方はおそらくコールドチェーンに配慮された商品だと思われます。
低温で置かれると、呼吸による酸化代謝が抑えられ、鮮度の低下を抑制することができます。
例えば、ある実験では次のような結果が報告されています。
以上が流通方法に関するポイントでした。次は、流通方法にも関りがありますが、保存形態について。
ポイント③ 保存形態
「できる枝豆」として次の三つの保存形態がおすすめです。- ハイテク袋
- 枝葉付き
- 冷凍食品
ハイテク袋
枝豆専用の「鮮度保持袋」 なるものを採用しているものがおすすめです。これは、枝豆の呼吸量、内容量に合わせて、通気と透湿を調整する小さな穴があいているというなかなかのハイテクな袋 のことで、これを使うと、鮮度の劣化を遅らせることができるというスグレもの。
最近はこうしたものを導入する生産者が増えてきました。袋には「鮮度保持包材」とか「鮮度保持フィルム」などと書かれていますから、すぐわかりますよ。
枝葉付き
スーパーでは、枝付きのまま売られている枝豆もありますね。でもあれ、袋詰めされたのよりかさばるし、買うのがメンドクサイとか思いませんか?調理するのだってサヤを枝から外す手間が必要になるし。しかもお値段やや高め。サヤの数が同じくらいの袋詰め品と比較すると、枝付きの方は100円ほど高いことが多いです。
なのに、なんでわざわざ枝付きで売られているのか、前から疑問に思ってました。
先ほども少し触れましたが、枝が付いている方が鮮度の低下が防げて日持ちがするのです。時間とともに失われる成分が、枝の方から補給される、あるいは、枝葉から老化抑制物質が供給される、と言われています。
だから、いろいろ手間がかかっても枝付きが良い、ということなんですね。知らなかった・・・
とはいえ、枝付きは劣化を「遅らせる」のであって、やはり日数が過ぎれば味や風味は落ちてしまいます。葉っぱの色が茶色くなっていないもの、枯れていないものを選びましょう。
このように、枝葉付きで鮮度を保つというのは、確かに昔からの優れた知恵です。
しかし、科学的な分析によれば、収穫後の時間短縮、低温保存、フィルムなどの方が鮮度維持効果は大きいようです。
冷凍食品
産地から離れている、とか、旬じゃない時期など、鮮度のよいものを入手するのが難しい場合は、冷凍食品の枝豆も意外と捨てたもんじゃないですよ。収穫後、すぐに茹でて冷凍にされているので、栄養素などが失われることなく加工されています。
スーパーに行けば、一年中、どこでも買えることも大きな魅力。
風味など、本当に新鮮なものにはかないませんけどね・・・
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いつ頃、どこで買うのが狙い目?
旬はいつごろ?
品種によって違いますが、一般的には6月から9月ごろが旬です。出始めは少々お値段は高めです。最近、豊かな風味が人気の茶豆は、8月下旬から9月中旬ぐらい。
正月のおせちで知られる黒豆も少しですが枝豆として売られています。これはもっと遅くて、9月下旬から10月中旬頃です。
どこで買う?
鮮度のことを考えると、やはり産地に近いところで購入したいですね。地元の新鮮な農産物が手に入りやすい所と言えば、
- 産地の地元スーパー
- 道の駅
- JAなどの農産物直売所
等がおすすめです。値段もお手頃のことが多いです。
もちろん、大手スーパーでも鮮度にこだわってるところもありますから、そうした流通努力も要チェック!!
それから、冷凍食品。これは年中、どこでも入手できますね。
たくさん買い過ぎたときはどうすればよい?
朝採りの新鮮な枝豆が売られてた!と、つい、食べきれないほど買ってしまった場合はどうすれば良いでしょうか?できれば、その日のうちに茹でて、冷凍してしまうのがおすすめです。
戻した時に少しやわらかくなりますので、やや硬めに茹でておくとよいでしょう。
おわりに
枝豆といえば、産地銘柄や茹で方ばかりを気にしがち。しかしそれ以前に、いかにポテンシャルが高い枝豆を手に入れられるかもたいへん重要で、それは時間(と温度)勝負なのでした。チェックポイントをまとめます。
■ 美味しい枝豆の条件は
- 若いこと
- 新鮮である事
■ そのための見分け方は
ポイント① 外観
- 全体的に均一な鮮やかな緑色
- くびれがあるもの
- 産毛が多いもの
- 収穫直後の、できれば朝採り
- 低温保存されているもの
- 袋詰めなら専用ハイテク袋
- 枝葉付きは昔からの優れた知恵
- 冷凍食品も捨てたもんじゃない
旬の時期になると、スーパーでは様々な種類の枝豆が置かれるようになります。
値段も形態もさまざまで、なんでこんなに何種類もあるの!?と思ってましたが、今回調べてみて、保存形態や流通方法ににもそれぞれのこだわりがあるんだなということが分かりました。
幸いなことに、わが地元の千葉県もなかなかの枝豆の産地です(年によって全国シェア1位のこともあるらしい)。
あぁ、早く美味しい枝豆が食べたいっ!!
今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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