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読書感想文を書くには、まず最初の本選びが重要。でもここでつまづいてしまうことが多いですよね。

そもそも本を読む習慣が無い人の場合、本選びで苦労するのは勿論のことですが、読書が好きな人でも悩む人が少なくないようです。

なぜなら、楽しむための読書と感想文のための読書は、目的というか方向性が違うから。

つまり、面白い本や自分が好きな本が感想文を書きやすい本とは限らないのです。

今回は、

・感想文が書きやすい本の選び方
・どこで感想文用の本を探すか
・どう読んで感想文のネタを考えるか

といったポイントについて解説したいと思います!

本選びでお悩みだったら、参考にしてください~


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まずは感想文の目的を理解しよう

本選びに先立って、感想文の目的は何で、何を書けばよいのかを理解することが重要です。

冒頭で述べたように、楽しむ読書と、感想文のための読書。この二つの読書は目的が違います。


楽しむ読書というのは、娯楽であって、受動的。最後に「あー、面白かった!」で、そして「次も読みたい!」となればOKです。


一方で感想文のための読書の場合は、面白かっただけでは原稿用紙はなかなか埋まりません。感想文を作り出すには、
「読書の中で見出したテーマについて、自分の世界を自分の言葉で積極的に考える」ことが必要です。

読書感想文が書きやすい本とは、その「考える」テーマを見つけるきっかけを与えてくれるような本です。


読書感想文の目的については、こちらの記事で詳しく解説しています。↓



本選びの3つのポイント

読書感想文が書きやすい本の選び方について、以下のポイントを軸に考えてみたいと思います。

  1. 王道のネタ本
  2. 簡単な本
  3. ビビッときた本

ポイント1:王道のネタ本

読書感想文の本としてよく読まれているジャンルとテーマがあります。ジャンルを縦糸、テーマを横糸として、本によって切り口は様々です。

このような王道の本に狙いを定めるのも本選びの近道になります。


ジャンル
昔も今も、感想文のジャンルの王道といえば

  • 伝記
  • 自然科学
  • 社会問題
  • 物語・小説

伝記は、苦労をものともせず、偉業を達成した人の話。学ぶべきところが明確なので、感想文のテーマを見つけ易いと思います。

小学生だと、ヘレンケラー、ナイチンゲール、アンネ・フランク、エジソン、野口英世などが鉄板ですね。

中学生・高校生だったら、もうちょっとマニアックな人を探してみると良いかもしれません。自分が知らなかった人のことを探して、いろいろ調べてみる体験も貴重な財産になると思います。

スポーツ界でも歴史上の人物がたくさんいますので、自分がやっているスポーツ界のレジェンドを取り上げてみるのはいかがでしょう。イチロー語録なんかもおもしろそう。


自然科学や社会問題に関する本では、自分の日常と違った新たな発見に出会えると思います。そうしたところも考えるテーマになると思います。
読書する犬
テーマ
そして、テーマとしては、次のようなものが書きやすい王道です。

  • 戦争/平和
  • 人権(いじめなど含む)
  • 苦労話
  • 人との絆(友情、家族、愛)

いずれも普遍的なテーマですが、身近なエピソードに基づいた自分なりの考えをアピールしていけば、オリジナルな感想文になるはずです。

とはいえ、本で書かれたテーマについて、身近なエピソードなんか無い!と思われるかもしれません。確かに、平凡な日常の暮らしの中には本に書かれるようなドラマはあまりないですよね。

でも、これまであなたが自分の事として考えたことも無かったテーマであれば、それはあなたにとって新しい発見ということになりませんか?そういった視点で何か考えるネタを探してみましょう。

ポイント2:簡単な本

ことさら難解な本にチャレンジするのも素晴らしいと思いますが、書きやすいのは、やはり「簡単な本」ですね。

「簡単」にもいろいろありますが。

短い本

長編より短編の方がやはり簡単で、時間も少なくて済みます。

作家でいうと、
芥川龍之介
志賀直哉
山本周五郎
星新一
あたりの短編がおすすめかな(ちょっと渋いか)。

短い文章の中に、普遍的なメッセージがぎゅっと込められていて、感想文が書きやすいと思いますよ。

ただし、純文学系は表現に目がいきがちなので要注意です。見事な表現がすばらしくて感動したとか、あるいは難解な表現を自分なりに解釈してみたなど、巻末にあるような作品の論評みたいになっちゃいがちなので・・・

感想文は、作品のあらすじや論評ではなく、あくまでも、作品のテーマやメッセージをきっかけにして自分自身が何を得たのかを考えて書くことがポイントです。


1冊の中に短編が何作品かかあるような本の場合、それぞれの作品に感想を書く必要はありません。どれか最も印象的なエピソード1つについて、そこを深堀して書けば良いです。

もちろん、全部に共通する流れというかテーマを読み取ることができれば、それについてまとめるのもアリですよ。

朗読音源があるもの

YouTubeなんかで「朗読」で検索すると結構たくさん見つかります。

ちょっとズルな気もしますが、活字を読むのが苦手な人におすすめです。朗読を聞いて良いなと思ったらぜひ自分で本を読んでみてくださいね。

つい怪談を聞いてしまって、夜ひとりでトイレに行けなくなっても、当方は責任とれませんのであしからず。。。

昔、読んだことがある本

かつて読んだことがある本も自分にとっては簡単で、取り組みやすいと思います。

前に読んだときには分からなかったことが分かるようになったり、自分が成長していれば見方もちがってくることもあるでしょう。

あらためて、まっさらな気持ちでしっかりと読んでみて、「こういう意味だったのか…」「あ、こんなことも書いてあったんだ」という新たな発見があればしめたもの。


そうした、読書を通して映し出される自分の成長をネタに書ことも一つの方法です。

ポイント3:ビビッときた本

要するに、関心が持てた本という意味です。

なんて言うと、
「そんなこと、あたりまえでしょ~」って言われちゃいそうですけど。。

「心が動かされた本」を選びましょう、なんてよく言われますが、実際、なかなかそんなふうに感じられることは少ないんじゃないかなと思います。ここは、「ツッコミどころがありそうな本」ぐらいの感覚で探してみると良いかもしれません。

本を閉じてから、思いを巡らせることができる

本のテーマは何か、自分に対してどう刺さってくるか、など、何でも良いので 自問自答 してみてください。連想が広がったり、深堀りできるようなネタが転がっていれば、それがあなたが探している本です。

個人的には、こうしたことに適した時間帯は、朝、目覚めた時です。

目が覚めたけど、まだすこし眠りを引きずってて少しぼんやりした状態。そんな時に考え事をすると、思いがけない発想が浮かんできたりします。布団の中で、昨日読んだ本の内容について思いを巡らせてみてはいかがでしょう。

友達、家族などにすすめたくなる

身の周りの人、たとえば弟や妹や友達などに読んで聞かせたい本も感想文に向いています。

どんな点が良かったとすすめたいですか?どんな反応が返ってきそうですか? 

それは自分自身の感想でもあるので、そのまま原稿用紙に書いてみましょう。

登場人物が同世代

同世代であれば、取り巻く環境や目線がわかりやすいと思います。

その中から、「私も~ということを大事にしたいです」といった 共感 を見つけやすいと思います。

もちろん、「これは違うと思った」という 反発 でもOKですよ!

新しい何かを得られた

これは逆に、一見して自分との間にGAPがあるような場合も「新たな発見」というツッコミどころになります。

「新しい何かを得る」というのが、感想文で最も評価されるテーマの一つですからね。

例えば次のような発見があれば、お手本となるような感想文が書けそう!

新しい知識・視野・考え方
「今まで分からなかったけどわかるような気がした」
「今まで嫌いだったけど、見方が変わって好きになった」
「今まで病気(入院)したことなかったけど、病気した人の気持ちが分かった」
「自分が当たり前だと思っていたことが、実は特別なんだと気づいた」
「本で調べることの喜びを知った」
「歴史を振り返る重要性を知った」
「今、平和であることのありがたみを知った」
「世界は広いなと感じた」
「一つのことでもいろんな見方があると感じた」

殻を破ることができた
「今まで背が低いことがコンプレックスだったがどうでもよくなった」
「今まで避けていたけど、思い切ってやってみようと思った」

目標発見/今後の決意表明
「私も~のように~な人になりたいと思った」
「これからはおうちの手伝いをちゃんとやりたいと思いました」
「いじめられている人を見たら助けてあげようと思った」
「私も~になりたいと思った。そのためにどうしたらよいか調べてみた」

普段言えないような感情を表すこと
「お父さん、お母さん、ありがとう」
「~さん、大好きだよ」

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逆に向かない本とは

いわゆるベストセラー的な、話が面白すぎる本は感想文には向かないと思います。

こうした娯楽性の高い本は、作者の巧みなストーリーに魅せられて、どんどん先へと読み進めたくなってしまいます。ストーリーの流れを追ってしまい、自分を主体とした考察を持ち出しにくいんですね。

例えばミステリーや、ハリーポッター、ナルニア国物語といったファンタジー作品がこれにあたるかと思います。


もちろん、絶対ダメだというわけではありませんよ。感想文が書けそうなネタが見つかったのなら攻めてみましょう~

どこで感想文用の本を探せばよいか

1.身近な人に聞いてみる

身近なところでは、家族におススメを聞いてみてはどうでしょう。お父さん、お母さん、お兄さん、お姉さんがかつて感想文を書いてみたとアドバイスしてくれるかもしれません。

家の本棚を眺めてみるのも一つの方法です。

2.図書館を利用する

できればちょっと図書館まで足を延ばしてみませんか?

第一に、たくさんの本があります。それに静かだし、家と違ってテレビやゲームなど、気を散らす誘惑が無いのも図書館の大きな魅力。周りのみんなも本を読んだり勉強をしていて、本を読むには最高の環境です。

また、夏休みには読書感想文用の特設コーナーが設けられるかもしれません。図書館の先生や係の人に直接おすすめ本を聞いてみるのも良いでしょう。

漠然と「感想文が書きやすい本ないですか?」と聞くのも良いですが、それだと特設コーナーを案内されるだけかも。もし自分が興味を持っているものや書きたいテーマなどを伝えることができれば、より親身なアドバイスがもらえるかもしれませんよ。

3.課題図書には選ばれただけの理由がある

課題図書の中から選ぶのももちろんおススメです。

数ある本の中から特に選ばれた作品ですから、いわゆる感想文向けの「良書」であることは間違いありません。

普遍的なメッセージが込められていたり、新しい何かを学べるような、読書感想文を書きやすい本が選ばれているハズです。


もちろん、あらすじに毛の生えた程度の感想文だと、課題図書を選んだ人がみんな似通ったものになってしまう危険性があるのも確かです。

しかし創意工夫次第で、いくらでも独創的な感想文を書くことはできます。そうすれば、頭一つ抜け出た評価がもらえるでしょう。

>> 青少年読書感想文全国コンクールの課題図書

4.過去のコンクール入賞作品を参考にする

逆に、読んで感動した感想文から題材としていた本を選ぶ、という探し方もアリです。


ほんと、過去の入賞作品を読むことはおすすめですよ。子供たちの成長というか可能性にあふれていて、マジ感動します。

感想文の中で読まれている本を自分も読みたくなっちゃうこともありますし、入賞作品をたくさん読むことで、読書感想文の書き方自体も自分の中でつかめるんじゃないかなと思います。

青少年読書感想文全国コンクール入賞作品がまとめられた、「考える読書」という本があります。毎年、刊行されています。

これを読むことをお勧めします。買ってもよいですし、おそらく図書館にも置かれているでしょう。
>> 「考える読書」をAmazonで探す


次の記事で、いくつかのコンクールの入賞作品が読めるサイトをまとめています。↓



5.本そのものの紹介サイト

感想文に向いた本ということでおススメの本をリストアップしてくれているサイトがたくさんあります。

例えばこちら。感想文の最も大きなコンクール「青少年読書感想文全国コンクール」を主宰する毎日新聞社と全国学校図書館協議会のHPです。学年別に感想文に向いた本をたくさん紹介してくれてますよ!

>> きみの1冊をさがそう!「今こそ ホンヨモ!」

終わりに

本には、娯楽性が高くてテレビのように受け身になる本と、逆に刺激を受けて何か行動を起こしてみたくなる本があるように思います。

感想文に向く本はもちろん後者。本を読むことで自分の中でなにか新しいものがつかめるような本を見つけましょう~


今回は以上です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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